2025年10月8日水曜日

ドライガイド2025-26、ドキドキの夏イワナ。(2025.10.8)

 夏には風物詩が多くあり、川に行くとトリカブトの花はとても象徴的だ。薄い紫色の花と濃い紫色の花があるが、ここでは濃い紫色の花に出会った。川沿いでは紫色はひと際自己主張しているように見えて、艶っぽくもあり、こちらを見ているよう。あまり鳥の頭には見えないが、花が3連で付いているからだろうか。気が付くと、夏の終わり頃にトリカブトの花を見る。毎年の事なのに、花を見つけると嬉しくもある。
 ゲストは3回目のガイド依頼になった。こんな自分のガイドを受け入れてくれるとは、ありがたく思う。毎回違う川に行っているが、激戦区の南会津なのに数も釣れている。違う季節に、違う渓相、違う渓魚、確かにガイドを頼むと効率の良い釣りが出来る。3回ともお天気も悪くなく、風も穏やかで、釣り日和。巡り合わせというものも、きっとあるのだろう。夏の釣り上がりに選んだ釣り場は、檜枝岐村の山岳渓流区間。真夏ゆえに数の釣果は望めないが、大型のイワナが浮いている場面に遭遇できる可能性が高い。記憶にあるだけでも今シーズンは5ヵ所は確認できている。先行者がいないので、さあ、スローペースで行きましょう。釣り急ぐと良い事ないですよ。
 集合は暑さを避けるため7:30だったので、イワナ釣りには早すぎるのだろう。ゆうくりと忘れ物しないように準備して、少し歩いてから入渓。変わらず美しい渓相だが、ゲストにとっては初めて釣りをする場所なので、ワクワクが止まらない様子にとれる。20分ほど釣り上がって、イワナが良い反応をしたがフッキングせず。見えるイワナは多くはなく、良型はことごとくスプーク。あっと言う間に時間は過ぎて、お昼ご飯でリラックス。小さいイワナの反応もあったが、毛鉤のくわえ方が浅いようだ。それは夏ですね。口の端でちょんと噛むような印象。そしてピュンと逃げ込んでしまう。浅場に定位しているイワナはやる気はあるが、ストーキングとキャスティングが難しい。これも夏、致し方ない。やる気イワナを見つけて、数打つしかない。ゲストは終始夢中のようで、渓相が気に入ったそうだ。
 ビッグチャンスが来た。良型3尾のイワナが大岩に囲まれたプールで定位している。そのうちの1尾は表層まで上がってきては捕食を繰り返すという、なんとも夢のようなシチュエーションだろうか。小さい虫がハッチしている。スプークだけはさせないように、立ち位置を遡行してきた対岸側に移動。流れの落差でブラインドになれる事が分かり、ここは大胆に距離を縮める。キャスティング時のモーションも最小限にできるので、これがベストポジションだった。あとはイワナが浮いてくるタイミングに合わせて、プレゼンテーションを決めるだけ。いやいや、それが厳しいのよ。やりとりは15分を超えて、何度目のインターバルだっただろうか。イワナをビビらせないように、休ませ休ませチャンスを待つ。立ち位置の良さできっちりと毛鉤を投げられるが、イワナだってすべてに反応するわけではないし、主導権は完全にイワナにある。休ませ休ませが効果あって、きれいにフッキングまで持って行けたのは20分を過ぎてからだった。見ていてもハッとする瞬間だった。緊張感のある時間はやっと解放され、充実の1日となった。








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2025年10月7日火曜日

2025年のキノコ採りガイド、承り中です。(2025.10.7)

 「初歩のキノコ採り」と題して、2024年10月からキノコ採りガイドを行っています。ただキノコを採らせてめでたしめでたしというキノコ採りガイドは良くあります。またキノコを採って来させて食べれるもの食べられないもの選抜してあげるというガイドも良くあります。これでは参加者はあまり知識につながりません。「初歩」で分かるように、初心者・初級者向けの、これからキノコ採りを楽しもうという方に向けた教書的なガイドツアーです。その時の旬のターゲットのキノコを設定し、その生態、発生状況をきちんと把握する事から始め、一緒に歩きながら収穫し、その都度質問にも答えていきます。こわい、難しい、分からない、という段階から、分かるキノコを一種類づつ追加し知識にして、同時に出ている毒キノコも習います。そうすると、次々に知識が増えて、確実に「これは間違いない」となり、不安であればすぐに質問し、同定が確かなものになっていきます。もう、ニコニコですね。
 2025年からは3時間コースとお昼ご飯持参の5時間コースの2プランをご用意しています。集合は8:00~8:30頃、集合場所は道の駅・スキー場・公園などにしています。
3時間なら1~2ヵ所、5時間なら2~3ヵ所、それぞれ散策して、知識と経験を身に着けて下さい。ゆくゆくはご自身で確実な同定から安心して食べるまで、山里の季節の恵みを楽しんでもらいたいと思っています。目に見えるキノコすべてに手を出すのではなく、①メインターゲット、②サブターゲット、③その時の毒キノコ、この3点に絞り、分かるキノコだけを選別して、分からないキノコは後で同定しましょう。
 近年のクマ被害は、拡大している傾向にあります。地方の人口過疎化が要因でもありますが、1番の要因はクマにとって人里に美味しい食べ物があり、少し危険でも食べ物を得る事が出来るからです。トウモロコシ・クルミ・クリ・ジャガイモ・カキなどの果物や穀物が目的であって、決して食肉の類を狙って食べに来ているわけではありません。そこにたまたまニワトリがいたりすると、騒がしいし目立つので手を伸ばしただけの事です。偶然の成り行きで肉の味を知ってしまう事になります。キノコ採りでは逆にクマのテリトリーに入る場合もありますが、鈴・笛・スプレー等のクマ対策をしっかりして、特に地面ばかりを見ずに広く周囲を見渡す、複数人で行動し仲間との距離を近く保つなど、基本的な事を守るように心掛けましょう。キノコ採りの時間帯も8:00~14:00までとして、必ず日中の明るさがあるうちに車に戻りましょう。特に15:30からは急に陽がかげる場合があり、日陰ならなおさら危険が増すので注意が必要です
 20250年のキノコ採りガイドは全日対応で午前中から催行しています。参加費等は「ドライガイドかわゆき」のHPにて、ご確認下さい。

 9/27土曜にキノコの様子を見に行ったら、きれいなホウキタケが採れました。この日のうちに処理して、夕食に天ぷらで頂きました。10/1水曜の道の駅田島でもキノコが並んでいます。見た目には元気がないホウキタケが、盛り合わせで1200円なり。サクラシメジも出ています。マイタケはありますが、会津人大好物のシシタケ(コウタケ)はまだのようです。


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2025年10月5日日曜日

ドライガイド2025-25、万事が上々。(2025.10.5)

  フライフィッシングをある程度続けていると、行ってみたくなる渓流がある。少し日本離れした風景感があり、昔から渓流釣りで有名で、メディアにも時折取り上げられていた渓流。メディアとはフライフィッシング専門誌だけではなく、源流釣りの本、ムック本、釣り場ガイド本などで、定期的に取り上げられるので脳裏に焼き付くのだろう。広告業界では「スリーヒットセオリー」と呼ばれる定義があり、メディアミックスで3回の視聴や閲覧で記憶に残っていくというもの、まさにそれだ。自分もこの渓流には20歳代の最後に初めて行ってみた。早朝でも林道入り口にはゲートがあり、入山料と遊漁券を集落一丸で管理をしていた。渓流釣りの聖地のような場所だった。それから30年が経ち、豪雨災害を何度か乗り越えて、今や訪れる釣り人は多くはない。自然は幾らか形を変えていても、圧倒される男性的な渓相は健在。イワナがいるかどうかではなく、川は雪解け水を集めながら流れている。今後のためにも行ける時に行っておきましょう。
 実はすでに何度かガイドでも来ている。今回は夏の終わりに近いはずなのに、まだまだ暑い。この川の傾向は掴んでいるので、この日の狙いはしっかりしている。任せてもらえるゲストなので、安心して引っ張って行ける。9:30過ぎのややスロースタートでも、イワナのご機嫌を伺いながら叩いて釣り上がる。ムダ打ちはせず、ペース配分は出来ている。最初はきれいにバラシ、ちょっと悔しいけれども手応えはある。イワナは確実にいる。放流は行われていないので、自然のままの渓流、ありのままの渓流に戻っただけ。そう考えたら、楽しくもあり、ワクワクもする。7寸サイズは静かにリリース。とっても紳士です。キクラゲが出ていて、どうやら山の中では雨は降っているようだ。
 ここから本命という区間に入って、9寸イワナが来てくれた。ポイントを丁寧に探っていって、岩場の隅っこに入れた時に1秒2秒3秒、そしてフライを吸い込んでググッと潜った。エサが極端に少ない今年の夏に、小さな巻き返しで捕食していたファイター。良いイワナに報われた瞬間だった。ここでランチタイム、民宿山楽のお弁当をご馳走になった。本命区間は適度に瀬が連続する。木々が覆いかぶさり水温が安定し、同時に陸生のエサは期待できそうだ。瀬で酸素量も十分な上に、小さな沢も何本か合流してくる。夏のドライの釣りの核心部に間違いないだろう。
 1尾2尾とイワナが釣れて、サイズは7寸前後止まり。この暑い日々には十分に満足できそうな釣りになっているが、記念になるようなイワナにも遭いたいところ。そろそろ終点が近いはずだがと思っていたタイミングで、浅い小さなプールで巻き返しのポイントが出てきた。99%イワナはいるはずという、「ここはね」とうなずけるポイント。バブルが吹き溜まりのようになっていて、こちらからは魚影はまるっきり見えないが、期待は裏切らないだろう。しかし、毛鉤を落としても、回しても、反応が返ってこない。メインの流れとの接点近くにイワナは付きがちだが、どうしたんだろうか。あれ~?、と少し諦めモードになってきた。「細く緩い流れが別の方向からさらさらと流れ込んでいるので、そっちに頭を向けているかも知れませんので、流してみて下さい」と伝えると、1投目で毛鉤を吸い込んだ。水深は浅いので、吸い込んだ時点で良型と分かったイワナは、またもやファイターで目視で尺クラス認定。が、惜しい、鳴き尺9寸。ここで開放感、「上がりましょう」と意見も一致して、退渓。今年の夏の釣りの、会心のドライガイドになった。











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2025年10月3日金曜日

ドライガイド2025-24、ツアーガイドで森の中。(2025.10.3)

 神奈川県横浜市のある「フライフィッシングショップなごみ」というお店があります。最寄駅の新羽からは少し歩きますが、フライの専門店が減っていく昨今においてたいへん頼りになるお店です。なごみさんとは宿屋やまゆきかわゆきの時代から懇意にさせて頂き、今シーズンからガイド業開業という事でツアーガイドを承る事になりました。やまゆき時代からフォローで一緒に川には行っていましたが、これからは添乗員の立場からやや立ち入ったガイドの立場で渓流をご案内し、それぞれゲストにあった対応をしていきたいと思います。2日間通しで夏のドライの釣り、厳しい暑さの中でいかにイワナを釣るのか。釣り自体も相当に厳しい今年の夏でした。
 渓流での初めての1尾はずっと記憶に残りますね。まさに今回も記念にふさわしい天然のイワナに出遭いました。最初の1尾が難しい事は誰もが知っていますが、リードしてくれる人がいると「ただ、釣れた、やった」という事以外に、なぜ釣れたのかが分かります。釣れる前に大きな難問が4つ、魚の付き場はどこか、木の枝等の障害物はないのか、そしてそこに毛鉤を投げられるのか、最後にバラさずに取り込めるか、どれもやってみなくちゃわかりませんね。小雨が混じるお天気で幸いに水量も少なすぎない状況です。入渓して1時間は川歩きとキャスティングの練習です。釣りの格好は完璧に出来上がっていますので、あとはイワナが来てくれるかどうかです。記憶の1尾まではもう少しですが、キャスティングが上手くできないので、投げられそうなポイントだけに絞ってやってみます。一癖あるポイントほどイワナはいるものなので、なおさら1尾への可能性は低くなりますね。ガイドは絶対に諦めませんよ。
 小さなライズを見ました。川岸寄りの浅い流れで、イワナのライズです。立っている所からは対岸になるので、流れの真ん中まで入らせてキャスティング。狙いを微調整しながら5投目くらいで毛鉤をくわえてくれました。とっても優しいイワナです。真夏で、浅場で、5回も投げていたら、普通は姿を隠してしまいますが、お付き合いしてくれました。イワナさん、ありがとう。ゲストも顔がほころびます。3人全員、ほころびます。写真撮影の時も、会話が喜び一色です。ガイドの自分もこの時を待っていました。良かった、良かった。雨が強くなってきて、遠くでも雷が聞こえ始めたので、区切りをつけて終了。この日は15:30に退渓、安全第一です。
 2日目はメンバーチェンジして、森の中の釣りへ。原生林のようなブナの大木やシダ類が多く、ひっそりと流れる小渓流の釣り上がりをガイドします。真夏でもブナの森の中はひんやりしていて、からっからの関東とは大違い。倒木にはウスヒラタケが出ていますが、これは見置きしてスルー。さっそく準備して投げられるポイントを絞りながら、リードして行きます。型は小さいですが、ポチョンと毛鉤に反応が返ってきます。真夏に普通に反応があるだけでも、南国関東の釣り人たちは興奮してしまいますね。会津の自然のすばらしさは伝わりますが、やはり釣れてもらわないともったいない。しかし今日はとっても臆病なイワナなので、付き場から引き出してフッキングまでなかなかの苦労です。足の上げ下げも多く、岩や倒木で歩きにくい場所もあるので、いつのまにか汗もかきます。クマ被害の報道も多いので、悪い妄想もあるのでしょう。クマ被害については、人里近くに美味しいご飯を食べに来ているクマの話です。森の中でストレスフリーに暮らしているツキノワグマはお変わりありませんよ。自分は今年はクマを見ていません。糞は春先に見ましたが、それっきりです。ガイドですからクマ対策はしていますので、ご安心下さい。
 ハアハア言いながら歩いて、バラシちゃって笑いながら、座って休んで森の木々を眺めて、自然の豊かさを感じます。素敵な時間はもうすぐ出口です。そこできれいな7寸イワナが釣れて、ニコニコ顔。「おっ、良いですね、良いイワナですね」と言っていたら、別のゲストにも良いイワナが掛かった。これはハッピーエンドの撮影タイムになりそうだ。フィールドガイドの名の通り、記憶に残る時間を過ごせた事を嬉しく思います。さあ、川から出ましょう。出るまでは登りになりますので、足元に気を付けて下さい。転んで竿を折らないように、先に畳んじゃっても良いですよ。両手が空いた方が、楽ですからね。




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2025年9月28日日曜日

ドライガイド2025-23、釣り場開拓のお手伝い。(2025.9.28)

 「この川に興味があって行ってみたいが、良く分からないんですよ」との事で、釣り場をご案内しました。某有名河川ですが、ドライシーズンは6月上旬から、雪が残っていれば中旬から、さすがの豪雪地帯らしい渓流です。ガイド前に話をお聞きすると、7月に1度釣りに来てみたとの事で、その時は尺ヤマメが釣れたそう。う~ん、ヤマメは町の補助金で放流しているもので、どう見たってイワナの川なんだがなあ。スパーヤマメが釣れちゃったのは仕方がないとして、本来のこの川の雄大さ、雄々しさ、荒々しさを感じながら、冬を乗り越えてきた力強いイワナに出遭ってもらいたい。今日は集合時間を早めて7:30にしていますので、涼しいうちに歩いちゃいましょう。スタートです。
 30分ほど歩いて入渓、探りながらもう少し歩きます。先行者は車1台でしたので、1~3人でしょう。釣り場に一番乗りだったら、普通はあっちに行っていると思いますが、釣り場を知るのが目的であれば、まずは午前中にここを釣り上がってみて、次を考えましょう。自分の考えでは、それぞれ渓相が違う3ヵ所の区間を体験できればと、ちょっと急ぎがちに歩きます。川は素晴らしい流れが続き、ポイントもよだれが出ちゃいそうなくらいです。どうしても流したくなる気持ちは分かりますが、集合時と入渓時に説明したように、そこは釣れる可能性が少ないですよ。良さげなポイントなのに釣れる可能性低いとは、いったい何ごとなのか。この川の魔力に惑わされないようにしないと、真夏の日差しと初めて歩く川の遡行の難しさで体力が奪われていきます。今年の夏は奥会津でも暑く、30℃を普通に超えてる日が続出。この日は33℃予想でしたので、もう最悪のお天気、覚悟の上でしたが還暦にはこたえます。
 ゲストを引っ張って行こうと思いちゃっちゃと歩きますが、良い流れにくぎ付けのようで付いて来ません。すると遠くでしゃがむ仕草が見えて、どうやら釣れたようです。7~8寸のイワナが釣れて、素晴らしくきれいなイワナです。平成23年から約14年間放流がないので、当然魚影は少なくなっていますが、この川のイワナでした。ゲストもやはり見惚れています。過去の放流イワナの名残りのある個体もいますが、14年で3世代交代と考えればイワナの生命力の強さを感じます。この川にはイワナとカジカしかいないので、この状態が健全な生息環境でしょう。ヤマメはいません。ずっと大事にしたいですね。自分が初めて来たのは30歳の頃でしたので、かれこれ30年以上も来ています。今は釣り場情報も多い時代ですので、ログで記憶したり、GPSでピン打たれたり、釣り場を隠しとおす事はほぼ無理になっています。自分のように釣りして足で稼いだ情報は、比べ物にならないくらいの価値があります。川の基本情報に自己の経験則を加える事で、初めて蓄積した知識の応用が出来て、その時々の対応が可能になります。観察力と対応力がフライフィッシングには不可欠です。
 ゲストの体力消耗が気になるので、3ヵ所案内の予定を2ヵ所に変更。分岐点が来たのでどっちに行ったらいいのか。やはり行っておいた方が良いだろうと、メジャーな方を選択して釣り上がります。これが先行者の後追いにもなり、超激シブな時間帯へ突入してしまいました。先行者は1人でしたが、もともと魚影が著しく減ってきている区間なので、ある程度は分かっていました。これほどまでにポイントが浅くなり、イワナの付き場が減ってしまうと、悪循環は避けられません。鳴き声とともにロケット弾のようにヤマセミが飛んでいきました。ヤマセミは図鑑通りのカッコ良さですが、お腹がまるまると太っていましたね。イワナを取り巻く環境の悪循環のひとつです。魚影が減りつつもまた回復するというバランスまでには至ってないので、今後もイワナは厳しい暮らしをせざるを得ません。
 ヤマセミ、アカエゾゼミ、アオバトなど、自然の豊かさを感じた1日でした。ガイドできたのは2ヵ所でしたが、ゲストはご自身でも探れる方なので、今後の釣り場開拓のきっかけになればと思います。








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2025年9月24日水曜日

ドライガイド2025-22、答え合わせ。(2025.9.22)

 いろいろな人からガイドを頼まれますが、ゲストはいろいろな目的を持たれている事が分かります。その目的を大別すると3つになり、①キャリア5年前後のビギナー・初級者からはフライフィッシングを教えて欲しいという「ステップアップ」、②60歳過ぎのロングキャリアからは何かあったら困るので一緒にいてくれると助かるし釣りも楽しめるという「フィッシングガイド」、③フライにハマっている愛好者からは釣り場を知りたいという「釣り場ガイド」、となっています。この日のゲストは具体的な目的があって、「イワナの釣り方を勉強したい」ということでした。お話を伺うと、「釣りは関東近郊や管理釣り場が中心で、対象魚はヤマメとニジマスがほとんど、イワナに対してのノウハウをあまり持っていないから」と非常に謙虚かつ前向きで、イワナ釣りがこれからの楽しみでもあるようです。ずばり、奥会津にはぴったりの内容。だって、イワナくらいしかいませんから、釣れればイワナです。二人で笑っちゃいました。
 ”最初の30分はゲストとガイドは探り合い”とは、以前に言いましたが、釣りも探り合いです。少し格好つけている人もいれば、いつも通りにやってくれる人もいます。もちろんいつも通りにやってくれる方が指摘しやすいですね。まずはポイントの見方、これはセオリー通りです。イワナの付き場も何となくは理解されていました。しかし、いざ毛鉤を流すと流れの筋ばかりをきれいに流しています。イワナの川なので流れの筋にもイワナはいますが、イワナの付き場の基本は流れの1つ脇です。この1点を知っただけでもガラリと釣りは変わります。とは言っても、急に人は変われません。どうしてもヤマメの付き場に流しがちですが、イワナの付き場にも流すようになって、これは大忙しです。全部に毛鉤を流していますね、頑張りましょう。
 暑い日が多くなると、木の実の出来が良くなります。まだ青いですが、ヤマブドウが鈴生りにアピールしてきます。マタタビの葉が揺れて、仲間のサルナシも期待できそうです。バーガーチェーンの「M」マークが目印のアカエゾゼミを見つけました。標高1000mくらいの山地で広葉樹林で見られるセミです。ガイドをやっていると、季節の移ろいが良く分かるので、新発見も増えました。釣りの発見もあれば、植物や生き物の発見もあって、歳を取るのはあながち悪くはないなと、自分を褒めてあげたい気持ちです。歳取った時間は戻りませんが。
 フライフィッシングには勘違いや思い込みも多くあって、ゲストは「一度フライに反応したら、もう釣れる可能性は低い」と思っていた人でした。「針掛かりしていないならば、釣れる可能性は落ちないですよ。むしろ逆にエサをしっかり見せたので、可能性が高まったとも考えられますよ」そう伝えると驚いていましたが、ちょうど試す場面がやって来ました。堰堤下の流れでイワナが反応してきたが、惜しくもフッキングしていない。これは実践するには良いチャンスです。すぐに毛鉤を流さずにイワナが元の付き場に戻る時間を与えて、さあキャスティング。またもや針掛かりせずで、どうやらやや小さいイワナのようです。このまま5回6回と投げ続けるとポイントは沈黙してイワナもどこかへ行ってしまいます。またポイントを休ませて、毛鉤をチェンジ、レーンを見極めてキャスティング。答えはすぐに出てくれて、驚き交じりの笑顔、そして二人で場面の復習です。気付きの連続は集中力も途絶えず、経験が知識に変わっていきます。
 夢中で釣り上がる場面もあって、ストレス発散です。そんな時はあまり声を掛けずに、見守ります。もったいないポイントの時だけは、お邪魔でも声掛けして、またそっとしておきます。15分か20分くらいで、だいたい一区切りして顔を上げますので、そこで休憩にしましょうね。夏の日のドライの釣り、堪りません。








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2025年9月17日水曜日

ドライガイド2025-21、猛ダッシュでハマります。(2025.9.17)

  フライフィッシングを始めるには、ある種の決意のようなものが必要です。道具は高いし、消耗品は多い。ウエーダーやランディングネット、帽子、カメラ、鈴、偏光グラス、防虫対策、色んな物を携帯しながら釣りをします。ウエーダーなんかは釣りにしか使わないし、荷物にもなる。ラインやらの消耗品だって、どこかにしまって持って歩いている。フライフィッシングは大変な遊びだと思う。さあ、暑い盛夏、ウエットウエーディングの季節。熱中症対策にもなるし、軽快に釣り上がりましょう。川の水ですが、奥会津は冷たいですよ。ガイドで行く川の水温は、夏でも14~16℃くらいです。冷えすぎ注意ですよ。
 昨年2024年の里見スクールに参加希望も定員到達で参加できなかった方が、ゲストで来てくれました。こんな自分のステップアップガイドでよろしければ!、と言う事で、スタートガイドから始めます。道具の扱い方から始めて、一気に最初の1尾のイワナまで行くつもりで、やや早い進行で川を歩かせますよ。最初の30分は、ガイドとゲストは探り合いの時間、微妙な空気感があります。まあ、いつもの事なので、良い歳の大人ですから会話さえ成立すれば大丈夫です。もう10:30、あら、12:30、100mくらいは釣り上がりましたね。誰でも最初は通る道です。頑張って、ひとつひとつクリアしていきましょう。ここで、お昼ご飯ですね。
 好きな趣味に出会うと、少年のような眼になります。情報量が多いので、習う側も大変です。歩いて入門書を読みながら、釣りをしているようなものです。でも、この上なく楽しそう。もうフライにハマったのかな、間違いないですね。「狙った所に毛鉤を置こうとはしないで、ちゃんとキャンスティングして投げましょう」と、自分は頻繁に言います。「イワナがいるかも」と思っただけで、余分な力が入って、動作がぎこちなくなっちゃいます。「やろうとはしているので、前向きに頑張りましょう、今のは良いですよ」と、おじさんがおじさんに優しく言う姿は、少し笑えます。冬に中学生相手にスキーを教えている事が、ガイド業に活かされていますね。もともと教員免許もあるし、ガイド業の素質の欠片くらい、あるみたいです。
 13:30で捕れそうなイワナ発見。枝の下の流れなので、イワナの存在を知らせずに座って投げる練習をちょっとします。残念ながら、このイワナは上手く行きませんでした。生き物相手です、イワナもエサ獲り必死ですからね。13:50、小さいライズ発見。イワナも見えます。立ち位置と距離感だけ気を付けておけば、釣れそうです。問題は何回目でフィーディングレーンに投げられるか、それが問題、大問題です。5回目でイワナのストライクゾーンに入ったら、ピッタシでフッキング。ゲストはショックで動けないので、ラインを引くのはガイドです。やりましたよ、1尾の良いイワナですよ。買ったばかりのネットに、最初に入ったイワナはちょっと居心地悪そう。川の水で手を冷やしてから、イワナをリリースです。今日も握手を求められました。そして、しばしの余韻を楽しみながら、休憩タイム。手の震えは止まったようです。
 午後15:00から第2ステージ。短い区間でワンチャンスを狙います。小さい魚は確認できたので、7~8寸サイズもいるはずです。「あそこの枝の下を流してみましょう」と誘導すると、3投目くらいで狙ったレーンの近くに毛鉤が届き、接待されるようにバシャッと来てくれました。が、しかし、またもやゲストは動けない。ロッド持つ手は反射で軽く上がったまま、ガイドは慌ててラインを手繰るがバレちゃいました。2尾目のイワナは1尾目よりも大きかったが、ネットには入らず。上手くいかないから、また面白い。完璧にフライフィッシングの罠にハマり、ゲストはどんな夜を過ごすのだろうか。夢の中でイワナが掛かったら、ちゃんと手が動けていると良いんだが。






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キノコ採りガイド2025-3、クリタケが始まる。(2025.10.26)

  やっと秋らしくなってきて、日中の気温も20℃を下回る日が多くなった。キノコ採りには雨と気温の関係性は重要です。関東ではまだまだ夏日は消えそうにないが、奥会津では10月末には雪がちらちらする。もう冬へまっすぐ向かい始めている。温暖化の影響で紅葉は遅れていて、やっと色付きがはっき...