「この川に興味があって行ってみたいが、良く分からないんですよ」との事で、釣り場をご案内しました。某有名河川ですが、ドライシーズンは6月上旬から、雪が残っていれば中旬から、さすがの豪雪地帯らしい渓流です。ガイド前に話をお聞きすると、7月に1度釣りに来てみたとの事で、その時は尺ヤマメが釣れたそう。う~ん、ヤマメは町の補助金で放流しているもので、どう見たってイワナの川なんだがなあ。スパーヤマメが釣れちゃったのは仕方がないとして、本来のこの川の雄大さ、雄々しさ、荒々しさを感じながら、冬を乗り越えてきた力強いイワナに出遭ってもらいたい。今日は集合時間を早めて7:30にしていますので、涼しいうちに歩いちゃいましょう。スタートです。
30分ほど歩いて入渓、探りながらもう少し歩きます。先行者は車1台でしたので、1~3人でしょう。釣り場に一番乗りだったら、普通はあっちに行っていると思いますが、釣り場を知るのが目的であれば、まずは午前中にここを釣り上がってみて、次を考えましょう。自分の考えでは、それぞれ渓相が違う3ヵ所の区間を体験できればと、ちょっと急ぎがちに歩きます。川は素晴らしい流れが続き、ポイントもよだれが出ちゃいそうなくらいです。どうしても流したくなる気持ちは分かりますが、集合時と入渓時に説明したように、そこは釣れる可能性が少ないですよ。良さげなポイントなのに釣れる可能性低いとは、いったい何ごとなのか。この川の魔力に惑わされないようにしないと、真夏の日差しと初めて歩く川の遡行の難しさで体力が奪われていきます。今年の夏は奥会津でも暑く、30℃を普通に超えてる日が続出。この日は33℃予想でしたので、もう最悪のお天気、覚悟の上でしたが還暦にはこたえます。
ゲストを引っ張って行こうと思いちゃっちゃと歩きますが、良い流れにくぎ付けのようで付いて来ません。すると遠くでしゃがむ仕草が見えて、どうやら釣れたようです。7~8寸のイワナが釣れて、素晴らしくきれいなイワナです。平成23年から約14年間放流がないので、当然魚影は少なくなっていますが、この川のイワナでした。ゲストもやはり見惚れています。過去の放流イワナの名残りのある個体もいますが、14年で3世代交代と考えればイワナの生命力の強さを感じます。この川にはイワナとカジカしかいないので、この状態が健全な生息環境でしょう。ヤマメはいません。ずっと大事にしたいですね。自分が初めて来たのは30歳の頃でしたので、かれこれ30年以上も来ています。今は釣り場情報も多い時代ですので、ログで記憶したり、GPSでピン打たれたり、釣り場を隠しとおす事はほぼ無理になっています。自分のように釣りして足で稼いだ情報は、比べ物にならないくらいの価値があります。川の基本情報に自己の経験則を加える事で、初めて蓄積した知識の応用が出来て、その時々の対応が可能になります。観察力と対応力がフライフィッシングには不可欠です。
ゲストの体力消耗が気になるので、3ヵ所案内の予定を2ヵ所に変更。分岐点が来たのでどっちに行ったらいいのか。やはり行っておいた方が良いだろうと、メジャーな方を選択して釣り上がります。これが先行者の後追いにもなり、超激シブな時間帯へ突入してしまいました。先行者は1人でしたが、もともと魚影が著しく減ってきている区間なので、ある程度は分かっていました。これほどまでにポイントが浅くなり、イワナの付き場が減ってしまうと、悪循環は避けられません。鳴き声とともにロケット弾のようにヤマセミが飛んでいきました。ヤマセミは図鑑通りのカッコ良さですが、お腹がまるまると太っていましたね。イワナを取り巻く環境の悪循環のひとつです。魚影が減りつつもまた回復するというバランスまでには至ってないので、今後もイワナは厳しい暮らしをせざるを得ません。
ヤマセミ、アカエゾゼミ、アオバトなど、自然の豊かさを感じた1日でした。ガイドできたのは2ヵ所でしたが、ゲストはご自身でも探れる方なので、今後の釣り場開拓のきっかけになればと思います。
山菜採り・キノコ採りも、楽しいですよ。
お気軽にお問合せ、ご予約下さい。
ドライガイドかわゆきHPは、https://sites.google.com/view/dgkawayuki/
フェイスブックページは、https://www.facebook.com/tsuruhiro.tatsugi
YouTubeかわゆきチャンネルは、https://www.youtube.com/channel/UCe_0tqknmHuXev7_ul2OvvQ
0 件のコメント:
コメントを投稿