いろいろな人からガイドを頼まれますが、ゲストはいろいろな目的を持たれている事が分かります。その目的を大別すると3つになり、①キャリア5年前後のビギナー・初級者からはフライフィッシングを教えて欲しいという「ステップアップ」、②60歳過ぎのロングキャリアからは何かあったら困るので一緒にいてくれると助かるし釣りも楽しめるという「フィッシングガイド」、③フライにハマっている愛好者からは釣り場を知りたいという「釣り場ガイド」、となっています。この日のゲストは具体的な目的があって、「イワナの釣り方を勉強したい」ということでした。お話を伺うと、「釣りは関東近郊や管理釣り場が中心で、対象魚はヤマメとニジマスがほとんど、イワナに対してのノウハウをあまり持っていないから」と非常に謙虚かつ前向きで、イワナ釣りがこれからの楽しみでもあるようです。ずばり、奥会津にはぴったりの内容。だって、イワナくらいしかいませんから、釣れればイワナです。二人で笑っちゃいました。
”最初の30分はゲストとガイドは探り合い”とは、以前に言いましたが、釣りも探り合いです。少し格好つけている人もいれば、いつも通りにやってくれる人もいます。もちろんいつも通りにやってくれる方が指摘しやすいですね。まずはポイントの見方、これはセオリー通りです。イワナの付き場も何となくは理解されていました。しかし、いざ毛鉤を流すと流れの筋ばかりをきれいに流しています。イワナの川なので流れの筋にもイワナはいますが、イワナの付き場の基本は流れの1つ脇です。この1点を知っただけでもガラリと釣りは変わります。とは言っても、急に人は変われません。どうしてもヤマメの付き場に流しがちですが、イワナの付き場にも流すようになって、これは大忙しです。全部に毛鉤を流していますね、頑張りましょう。
暑い日が多くなると、木の実の出来が良くなります。まだ青いですが、ヤマブドウが鈴生りにアピールしてきます。マタタビの葉が揺れて、仲間のサルナシも期待できそうです。バーガーチェーンの「M」マークが目印のアカエゾゼミを見つけました。標高1000mくらいの山地で広葉樹林で見られるセミです。ガイドをやっていると、季節の移ろいが良く分かるので、新発見も増えました。釣りの発見もあれば、植物や生き物の発見もあって、歳を取るのはあながち悪くはないなと、自分を褒めてあげたい気持ちです。歳取った時間は戻りませんが。
フライフィッシングには勘違いや思い込みも多くあって、ゲストは「一度フライに反応したら、もう釣れる可能性は低い」と思っていた人でした。「針掛かりしていないならば、釣れる可能性は落ちないですよ。むしろ逆にエサをしっかり見せたので、可能性が高まったとも考えられますよ」そう伝えると驚いていましたが、ちょうど試す場面がやって来ました。堰堤下の流れでイワナが反応してきたが、惜しくもフッキングしていない。これは実践するには良いチャンスです。すぐに毛鉤を流さずにイワナが元の付き場に戻る時間を与えて、さあキャスティング。またもや針掛かりせずで、どうやらやや小さいイワナのようです。このまま5回6回と投げ続けるとポイントは沈黙してイワナもどこかへ行ってしまいます。またポイントを休ませて、毛鉤をチェンジ、レーンを見極めてキャスティング。答えはすぐに出てくれて、驚き交じりの笑顔、そして二人で場面の復習です。気付きの連続は集中力も途絶えず、経験が知識に変わっていきます。
夢中で釣り上がる場面もあって、ストレス発散です。そんな時はあまり声を掛けずに、見守ります。もったいないポイントの時だけは、お邪魔でも声掛けして、またそっとしておきます。15分か20分くらいで、だいたい一区切りして顔を上げますので、そこで休憩にしましょうね。夏の日のドライの釣り、堪りません。
山菜採り・キノコ採りも、楽しいですよ。
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